コンデンサー交換

ギター改造の中でも比較的簡単なものにコンデンサー交換があります。
トーンを使わない方で、トーンが10になっていたとしてもコンデンサーの違いで音が変わります。
今回は代表的なものから、ちょっと変わったものまで聞き比べたので
参考にしていただけたら幸いです。

使用機材など

今回使用したアンプは、ミュージックマンの100wチューブアンプ。
設定は、ゲイン5、Vol3、ミドル、ベース、トレブル各10。(ヴォリューム3でもかなり大きい音です)
クリーンがキレイに出るアンプを使用しました。
クリーンを前提にしたので、テレPU搭載のオリジナルシンラインを使用。
ハイパス用のコンデンサーを外し、トーン回路にワニ口クリップをつけて簡単に
付けはずしをできるようにして、瞬時に変更できることで音の違いを聞き比べました。

一般的なコンデンサーがこのタイプ。セラミックコンデンサーです。
この音を基準とします。
このコンデンサーでシンラインを鳴らすと、聞いた感じ普通のパリッとした
テレキャスターサウンド。リアPUの5位でトーンが落ち始めるが、
音は薄っぺらい。フロントPUの5位で音が太くなる。0にしてしまうと、音の
輪郭が無くなり単音ではまだ良いが、コードを弾くとダメ。

これはギターにはちょっと珍しいスチロールコンデンサーです。
電極に同箔を使用しているため、色も銅色で光沢があります。主にオーディオに使用するようです。これに換えた途端音全体に張りが出て、音量も上がった気がします。音が元気な分だけ高音が耳に痛く感じるくらいです。
リアPUでは絞っていくと5位でパキパキ感が消えるが、音のキラキラした感じは残ります。0では、まだ音の輪郭があり、ピッキングに反応し、強ければ歪みます。フロントPUでは、音にハリがありフロントの分だけ音に甘味があります。この感じは5でも変わりません。0にすると太く甘い感じで輪郭のある音。JAZZっぽいですね
コンデンサー+交換作業代込み¥1050

このコンデンサーもあまりギターでは使わない、ポリプロピレンのコンデンサーです。
音の感じは上のスチロールコンデンサーに似ていますが、こちらの方がリアPU10でも幾分
マイルドな音がします。5でもその感じは変わらなく、
0にすると低音弦ばかりが目立つ音になり甘い感じではありません。
「荒々しい」といった感じでしょうか。フロントPU10でうるさくない感じは変わらず、
5にすると低音に迫力がでてきます。0にするとトーンが無いけれど
聞きやすい音になりました。

コンデンサー+交換作業代込み¥1050

こちらは代表的なオイルコンデンサー・ビタミンQです。
セラミックのような音の派手さはありませんが落ち着いた音です。
リアPU10でクセの無い素直な音で、絞っていくと、そのままクセの無い
感じでトーンが絞れていきます。0で音が太くなり歪みも少し出るが、
それでも素直な感じです。フロントPUでも素直な感じは変わりなく、
0にすると
ひずみが少なく太く甘い音になります。
コンデンサー+交換作業代込み¥2100

こちらは代表的なフィルムコンデンサー・オレンジドロップです。
リアPUでは、上のビタミンQよりもトーンは甘めでキンキン感は少ないです。
絞っていくとその分だけトーンが抜けていき、0にするとピッキングの反応で歪みます。
フロントPUでは5位で音圧のある太い音になり、0で歪みは無く
コードを弾いても音の輪郭はあります。

コンデンサー+交換作業代込み¥1575
 

これも同じオレンジドロップなのですが、今までのコンデンサーは全部、一般的にストラトに合うとされている「0.047マイクロファラッド」を使用して試奏しましたが、これはレスポールに合うとされている「0.022マイクロファラッド」で試奏しました。リアPUではマイルドで聴覚上とても聞きやすい音になりました。テレキャスのキンキンした音が好きな人には物足りないかも・・・。
5位でのアルペジオはとても良い音に感じました。0にすると0.047よりトーンが残っている音になります。フロントPUでは甘く良い音で、5ではリード、アルペジオ両方GOODです。
0でもトーンが残るのでロックのリードも良いでしょう。

コンデンサー+交換作業代込み¥1575

総合的な感想。
一概にオイルコンデンサーが良いとは限りません。自分の欲しい音に合わせた選択が肝心です。
テストの結果、現状の音をハリの良い元気な音にしたい場合「スチロールコンデンサー」など。
今の音をちょっと落ち着かせたい時は「オイル」かオレンジドロップコンデンサー。といった
感想を持ちました。あくまでも音の感じ方はそれぞれですのでお問い合わせしてください。
DIYでも可能だと思いますが、ちゃんとハンダ付けされていないと意味がありません。
当店にお任せください。

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